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働けなくなったときの家族の生活費は大丈夫?
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結婚や子どもの誕生など、家族が増えた時に考えたいのが「万が一」の生活設計です。家族の生活費や子育てにかかる費用など、生活コストは独身時代よりも確実に増えます。もしも家族を支える一家の大黒柱が、突然病気やけがで働けなくなってしまったら、その生活コストを補填するのは大変ですよね。今回は、一家の大黒柱が働けなくなった時に知っておきたい、公的給付や保険についてお伝えいたします。
- コラムサマリ
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- 家族構成によって働けなくなった時の負担の差が大きく、万が一の備えが必要
- 傷病手当金や障害年金など、公的な給付金の活用をまず検討してみる
- 所得補償保険は自宅療養でも保障を受けられる民間の保険
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■子どもが生まれると生活に必要なお金はこう変わる
子どもの有無や人数で、生活費はどれくらい変化するのでしょうか。
総務省「全国消費実態調査(2014年)」によると、家族構成別の月々の生活費(消費支出)は、以下のようになっています。「夫婦のみ世帯」:27万624円
「夫婦と子ども1人世帯」:30万4,762円
「夫婦と子ども2人世帯」:31万8,206円
「夫婦と子どもが3人世帯」:34万740円この調査結果から、子どもが1人増えることで月々の生活費が1〜3万円増えることが分かります。
例えば、夫婦と子ども2人の世帯の場合、子どもの年齢毎に月々の生活費は、以下のように推移していきます。「長子の年齢が2歳児以下の幼児」:28万5,773円
「長子の年齢が3歳~6歳」:28万1,427円
「長子が小学生」:28万2,319円
「長子が中学生」:30万1,988円
「長子が高校生」:34万4,175円
「長子が大学、専門学校など」:43万6,303円「長子が大学、専門学校など」となると、長子が高校生の場合と比べて1ヵ月の生活費が約10万円も増えており、家計負担が大きく増えることが分かります。
■脳梗塞で倒れてしまったときに収入を支えるには?
家族を養う一家の大黒柱が病気やけがで入院してしまうと、収入面の不安はどうやって解決すればいいのでしょうか。
・「有給休暇」や「傷病手当金」の活用
会社員の場合は、有給休暇の取得や、「傷病手当金」制度の利用で収入面の不安に対処できるでしょう。
有給休暇は、雇い入れの日から6ヵ月間連続勤務し、その間の全労働時間の8割以上出勤した労働者に対し、最低10日以上付与しなければいけないと法律で定められています。
また、「傷病手当金」は、加入している健康保険から受給できるもので、「業務外での病気やけがの療養」で「連続する3日間を含み4日以上仕事に就けない状態」と判断されると、給与が支給されない日に対して「およそ日給の3分の2が支給される」制度です。
有給休暇を消化してしまったとしても、仕事に就けない場合は傷病手当金を利用できます。傷病手当の支給期間は、最長1年6ヵ月間であり、もし受給中に退職することになっても条件を満たせば受給し続けられます。・「障害年金」の活用
その他、公的給付には「障害年金」もあります。症状が回復せず、障害と認定されれば障害等級に応じた年金を受け取ることができます。
働き盛りの世代で、感染症や精神疾患を除いて、最も入院日数が長くなる傷病は「脳血管疾患」です。厚生労働省「患者調査の概況(2017)」によると、35歳~64歳で脳血管疾患になった時の入院日数は45.6日となっています。
また、全傷病において年齢別の受療率を見ると、30代で入院する人は0.5%程度、40代でも0.7%程度となっています。
一方で、傷病の程度によっては、その後の労働に制限がかかることもありますし、会社員ではなく自営業の方(国民年金、国民健康保険への加入者)は、有給休暇や傷病手当金制度がないので、公的給付金以外の備えを考えておく必要はあるといえます。
また、公的給付金は申請してから支給されるまでにタイムラグもあるので、緊急資金用の預貯金はもちろん、民間の保険などを利用して公的給付金の補填ができるような対策が必要となります。■所得補償保険でけがや病気で働けなくなった時に備える
一般的な生命保険の給付は、入院や手術が対象となっているため、「自宅療養」は保障対象外となっています。そこで、入院日数が短期化している現在では、入院の有無を問わず、医師の治療を受けて在宅療養している場合でも保険の給付が受けられる、「所得補償保険(就業不能保険)」がおすすめです。
所得補償保険は、損害保険会社と生命保険会社の双方で取り扱いがあり、入院時や自宅療養により「就業不能(*)」と判断される場合に、契約時に定めた月額もしくは日額が保険金として支払われる保険です。公的保障で賄えない生活費や、住宅ローンの毎月の返済額などを目安に保険金額を設定しておくと良いでしょう。
(*)就業不能の定義は保険会社または保険代理店にご確認ください。・所得補償保険は免責期間などの契約内容に注意
ただし、保険会社によって、保険金が支払われない期間である「免責期間」は様々です。免責期間が7日以内と、すぐにもらえる保険がある一方で、60日間や180日間など長期間の保険もあります。また、補償期間も、65歳までと長期間のものや2年という短期間補償の商品などさまざまです。免責期間や補償期間によって保険料も変わります。
また、保険会社によっては、就業不能の原因が精神疾患の場合、補償の対象となる商品もありますので、詳細は保険会社または保険代理店に聞いてみましょう。
所得補償保険の契約をする場合には、保険金額や保険料だけでなく、「免責期間」「保険期間」「どんな時に保険金がおりるか」などの細かな条件をチェックしておきましょう。■保険金請求の手続きの方法
保険金の給付を申請する際には、「証券番号」「傷病名」「就業不能日数」などの必要情報をまとめておきましょう。加えて、請求内容によって、各種証明書を添える必要があります。
請求方法は、書類を郵送する以外に、インターネットからオンラインで請求できる会社もあります。■保険を万が一の備えに検討する
「保険は難しい」と感じる方が多いかもしれませんが、病気やけがによって治療が必要な場合はもちろん、働くことができなくなった場合の生活費などを賄うことができます。万が一自分が働けなくなってしまったとき、どんなお金がかかるのかを確認しておきましょう。
「傷病手当金」や「障害年金」などの公的保障なども確認しながら、いざという時にも、家族が困らないような家計設計や保険についてしっかり考えておきたいですね。
この記事の執筆協力
- 執筆者名
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文・冨士野喜子(ファイナンシャルプランナー)
- 執筆者プロフィール
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お金に関する相談実績1000件以上。 大学卒業後、教育出版会社、外資系生命保険会社を経て独立。個別相談だけでなくセミナーや講演、ラジオ、コラムにて「楽しく、分かりやすく」情報発信中。プライベートでは3児の母。
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